部屋を快適に 照明で変わるリラックス読書時間
仕事などで疲れて帰宅した後、なかなかリラックスできる時間を持てず、読書に興味があっても「どう始めたら良いのか」「どんな環境が良いのか」と悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。読書は心を落ち着かせ、日々の疲れを癒す素晴らしい方法ですが、そのためには快適な読書環境が大切です。
特別な読書スペースがなくても、今ある部屋の一角を少し工夫するだけで、驚くほどリラックスできる空間を作ることができます。その中でも、特に大きな影響を与えるのが「照明」です。照明は、部屋の雰囲気を大きく左右し、私たちの心身の状態にも深く関わっています。
この記事では、リラックスできる読書時間のための照明の選び方や、すぐに試せる簡単な工夫をご紹介します。照明を変えることで、いつもの部屋がもっと心地よい読書空間に変わることをお伝えできれば幸いです。
リラックスできる光の色(光色)を選ぶ
照明を選ぶ際にまず考えたいのが、光の色、専門用語で「光色」と呼ばれるものです。光色は、電球の色温度によって決まり、部屋の雰囲気に大きな違いをもたらします。
リラックスしたい時に最もおすすめなのは、「電球色」や「温白色」と呼ばれる暖色系の光です。
- 電球色: オレンジ色に近い、温かみのある光です。夕暮れ時や白熱電球のような色合いで、落ち着いた、くつろげる雰囲気を演出します。脳をリラックスさせる効果があると言われています。
- 温白色: 電球色よりも少し白っぽいですが、暖かさを感じる光です。自然な色合いで、リラックスしつつも、読書に必要な視認性もある程度保てます。
- 昼白色・昼光色: 昼白色は太陽の光に近い自然な白、昼光色は青みがかった白い光です。集中力を高める効果があるため、作業や勉強には向いていますが、リラックスしたい読書時間にはあまり適していません。
読書用には、メインの照明を電球色や温白色にするか、あるいは後述する読書用の照明をこれらの色にすると良いでしょう。照明器具を選ぶ際には、パッケージや仕様に記載されている光色を確認してみてください。
読書に適した明るさ(照度)に調整する
光の色と並んで大切なのが、光の明るさ、すなわち「照度」です。明るすぎても落ち着かず、暗すぎると目に負担がかかります。読書に集中しつつ、心身ともにリラックスできる適切な明るさを見つけることが重要です。
一般的に、読書には300ルクスから750ルクス程度の明るさが推奨されることが多いですが、これはあくまで目安です。部屋全体の明るさや、本を置く位置によって最適な明るさは異なります。
手軽に明るさを調整するには、「調光機能付き」の照明を選ぶのがおすすめです。読書を始める時間帯やその日の気分、読む本の種類(活字の大きさや紙の色など)に合わせて、明るさを簡単に変えることができます。
また、部屋全体の照明を少し落とし、手元を重点的に照らすという方法も効果的です。こうすることで、空間に奥行きが生まれ、より落ち着いた雰囲気を演出できます。
おすすめの照明の種類と配置のヒント
リラックスできる読書空間作りに役立つ、いくつかの照明の種類と、その配置のヒントをご紹介します。
- スタンドライト(フロアスタンド・デスクスタンド): 読書場所の近くに置くスタンドライトは、読書環境を作る上で最も手軽で効果的なアイテムの一つです。座っている場所の横や後ろにフロアスタンドを置けば、手元を適度に照らしつつ、部屋全体は落ち着いた明るさに保てます。ソファや椅子のすぐそばに置けるデスクスタンドタイプも便利です。シェード付きのものを選ぶと、光が直接目に入りにくく、より優しい明かりになります。
- 間接照明: 壁や天井に向かって光を当てる間接照明は、部屋全体を柔らかく包み込み、リラックス効果を高めます。フロアスタンド型やテーブルランプ型など様々な種類があり、単独で使うのはもちろん、読書用のスタンドライトと組み合わせることで、より深みのある心地よい空間を作り出せます。
- ペンダントライト・シーリングライト: 部屋全体のメイン照明として使うことが多いですが、読書時間には少し明るすぎることがあります。調光機能付きのものを選んだり、普段は明るさを絞って使い、必要な場所にスタンドライトを追加したりするのがおすすめです。シェードのデザインによっても光の広がり方や雰囲気が変わります。
これらの照明を一つ取り入れるだけでも変化を感じられるはずです。例えば、今あるソファや椅子の横に、暖色系の光のスタンドライトを置くだけでも、そこが「リラックス読書コーナー」になります。
さらに快適にするためのちょっとした工夫
照明を選ぶ・配置するだけでなく、さらに快適な読書空間を作るための小さな工夫をご紹介します。
- 光の反射に注意する: 窓からの外の光や、照明の光が本に反射して眩しく感じることがあります。読書する場所を決めるときは、窓や照明器具からの光が直接当たらない位置を選ぶようにしましょう。必要であれば、カーテンやブラインドで光を調整します。
- 影を作らない: 照明の位置によっては、自分の体や手に影ができてしまい、文字が見えにくくなることがあります。読書する場所の真上や、読書する体勢になったときに影ができやすい位置を避け、光が手元を均一に照らすようにスタンドライトなどを配置してみてください。
- 他の光を抑える: テレビやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、リラックスを妨げることがあります。読書に集中する時間は、これらのデバイスの電源をオフにするか、画面を見ないように心がけると良いでしょう。
これらの工夫は、どれもすぐに試せる手軽なものばかりです。まずは一つからでも取り入れてみてください。
まとめ
リラックスできる読書環境を作る上で、照明は非常に重要な要素です。光の色や明るさを工夫し、適切な場所に照明器具を配置することで、いつもの部屋が心地よい読書空間に変わります。
大きな模様替えや高価な家具を揃える必要はありません。暖色系の電球色の電球に変えてみる、手元を照らす小さなスタンドライトを一つ置いてみる、といった小さな一歩から始めることができます。
疲れて帰宅した後でも、「ここで本を開こう」と思えるような、自分だけのリラックスできる読書スペースを照明の力で作ってみてはいかがでしょうか。新しい照明が灯す優しい光の中で、ゆったりと本の世界に浸る時間は、きっと日々の疲れを癒してくれるはずです。